あとがき

『DISC3以降、何故スコールは突然リノア狂いになったのか』。

 おそらく、FF8はあまり・・・と言う人は、ほとんどこの疑問を抱えていたのではないでしょうか。 私もそうでした。 しかもプレイ中、リノア嬢に余り思い入れが無かった私は、彼女をレギュラーメンバーに全く入れず、 会話の選択肢でも突き放した方を選んでいたので、尚更でしたね…(苦笑)。 FF8プレイしたのは、ブームが過ぎてからだったので、 スコールとリノアがラブラブになる事は承知済みだったのですが、 やはり当時から、あのいきなりの変貌には、ちょっと納得がいきませんでした。 …もうお解りだと思いますが、私はスコリノ派ではありません。 (でも、否定は絶対しないです。 自分の好みと違うからと言って、頭ごなしに批判するのは、ナンセンス。 スコリノはスコリノ独自の魅力があるのですからね。)
 ただ、やっぱり気になったのです。あの変貌ぶりは、何だったのか!と。
 
 このスコール独白文は、スコリノ前提ではありません。では何なのか。 この文を書くにあたり、スコール&リノアのセリフ集を参考にさせて頂いたのですが。 (*注1)セリフ集を見て、気付いた事があったのです。
 スコールは、子供の頃のトラウマ、突然エルお姉ちゃんと離されてしまった過去がありました。 今まで、絶対的に信じていた人との不条理な別れ。 …もしかしたら、DISC3始めのリノアへの執着は、その延長上かも…、そんな風に私は思ってしまったのです。 いきなりぽーんと置いてきぼりを食らった迷子の子供が、必死になって母親(姉)を探す心境。 自分を無条件に庇護してくれる存在を求める気持ち。そんな子供っぽい独占欲と執着心。 意識不明の彼女を助けたい、というよりは、自分が安心していられる場所を取り戻したい。 更に言えば、『何かをしてあげたい』よりも、『何かをして貰いたい』って気持ちが強い。 つまり、スコールのリノアへの想いは、『恋』でも無く、増してや『愛』でもない、『エゴ』なんじゃないか、と。 (誤解して頂きたく無いので、一言。私は『エゴ』を悪い意味で捉えていません。 マイナスイメージを想起させるかもしれない言葉なので、別の言葉で書きたかったのですが、これ以外、思い浮かびませんでした。苦笑)。 まあ、ぶっちゃけちゃえば、恋や愛も結局は自分自身のエゴで成り立っているのですが、スコールとリノアの関係を見ると、特にエゴの部分が顕著に感じられるのです。 両者、エゴとエゴのぶつかり合い。 それが絶妙なバランスで保たれている、それがスコールとリノアだったんじゃないかな〜、なんて思うのです。 そんなちょっと危うい関係。 だからなのかな、ゲームED後がふたりにとって真の試練かもしれないと思ったりするのは…(笑)。
 しかし、セリフだけ見ると、ゲーム中スコールのリノアへの気持ちの移り変わりらしきものが、結構あるのですよね。 (特に、トラビア辺りから。スコールのリノアへの意見が微妙に変わり出している)。 改めて見て、ちょっと驚きました。 プレイ中は、夢中になってて見逃がしていただけだったのかもしれないです。
 と、ババッと思うがまま、打ち込んでしまいましたが。 ……何だかなぁ。…今回のあとがきは、妙に理屈っぽいですね…(苦笑)。 もっと単純明快にまとめろってば。 まぁ、このように個人的な解釈で書いてしまったスコール文ですが、 このスコール君が可か不可かは、読んで下さった皆様で決めて頂ければ幸いです。
 それにしても、KHスコール氏。…いやぁ、KHで初めてスコールのカッコ良さ、と言う物が解りました。 25歳設定も伊達じゃないですね〜。やはりFF8の17歳スコールは、カッコいいというよりは、まだまだ青いなって感じです(笑)。
 
 
 *注1 SALT.NO.1さん、くるくるさんから数回に渡り、スコールとリノアのセリフ集を頂きました。 無理を言ってすみません。でも大変参考になりました。本当にありがとうございました!
 
 
 使用BGMは、お約束通り、フェイ・ウォンの『EYES ON ME』でした。 音楽の効果ってやっぱり大きい。これ聞くと、FF8を思い出すもんな〜。





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