私、どうなったの?あの時確かにセフィロスの刃を受けた。
 うすれゆく意識─────。
私はこうなる事がわかっていた。セトラの生き残りだから?そうかもしれない。
ただ漠然とした思いがあった。
小さな頃から人とは違う生活を強いられ、私ばかりどうして?と幼いながらに思ってた。
タークスに狙われて危ない目にあったことだってある。
どうして?
どうして私、セトラの生き残りなんかに生まれたの?
普通の女の子でいたいのに───。
でもそれでも私は精一杯生きてきた。自分にできる事、自分が必要とされること、
必ずなにかあるハズだって。
そして、これが私に与えられた役割、存在意義。
星を守るため、私に課せられた使命───。
私1人でやらなければいけないことだった。
セトラの生き残り、私にしかできないこと。
         ホーリーの発動
小さな頃から何かの音が聞こえていた。でもはっきりとは聞こえない、
ただ頭の中でザワザワって感じるだけ。
母さんに言ったら、そういう事は人前で言っちゃいけないって言われた。
大きくなって、自分の出生の秘密を知り、ああこれが星の声だったんだって何となく分かった。
私は「セトラの民」だから。
でも最近、星の声とは違う何かが聞こえてくるようになった。
あなたと初めて逢った時、それがあなたの声だったって分かった。
なぜだか分からない、
でも、あの日、確かに私はあの声に導かれるままにあの場所にいた────。
初めて逢った時の事覚えてる?お花、買ってくれたよね。
私、あの時、あぁこの人だったんだって思った。
星の叫びと一緒に聞こえて来る声……あの声の人だって……
そして、蒼い瞳…魔晄を浴びた者、ソルジャー
        あの人に、
           似ている
2度目に逢った時、あなたは教会の花壇に倒れてた。
急いで駆け寄って助け起こした時、あなたに直に触れたせいか私の頭に例の声がハッキリと聞こえた。
最初は何のことか分からずにいたけど、最近になってようやく分かった。
でも、ゴメンなさい、私はもう、何もしてあげられない。
ただあなたを見守る事しかできない。 
でもね、みんながいる、仲間がいるから。
1人じゃない。だからムリしないで。
あるがままの自分を受け入れて。
自分自身を取り戻して。
そうすればきっと、あなたは分かってくれる。
私が何をしていたのかを、
あなたは何を為すべきかを。
日々大きくなる星の悲鳴。耳を塞いでも聞こえる、星の叫びが。
心痛める私、この宿命から逃れたい。
ぐるぐる頭の中を駆け巡って、もうどうしたらいいのか分からなくなる。
必然と偶然、私がこの星の下に生まれたのは必然?
みんなと出逢ったのも、あなたと出逢ったのも必然?それとも偶然?
ううん、必然だったと思いたい。
そう思う事で私は強くなれる。宿命は変えられないけど、運命は変えられる。
自分の力で、私の未来を切り拓く。そんな力をみんなが、
あなたが私に与えてくれる。
私は強くなれる。
だから大丈夫、1人でも大丈夫。
私、強くなりたかった。
ホーリーを発動し、なおかつ自分の運命を切り拓く力────
ゆっくりと崩れ落ちる身体、支えてくれたのはあなただった。
あなたの温もりが感じられる。泣かないで、悲しまないで。
私、いつもあなたの近くにいる。
あなたが思ってくれれば私はいつだってあなたの近くにいるの。
大気になって、光になって、あなたと共に生き続ける。
あなたが約束の地に来てくれるその日まで。









あとがき




‖まにまに文庫‖ ‖石鹸工場‖