大陸鉄道

 >> 海辺を列車が走る。

 >> 車内風景
 >> 老夫婦が静かに話している
 >> 赤ちゃんを抱くお母さん。


 その席より少し離れた所にウォークマンを聴いている少女。外を見ているため顔は見えない。
 胸元には古ぼけた指輪がかかっている。



#ラジオ番組

――続いてのリクエストは、ウィンヒルにお住まいの匿名希望さんからです。

「いつも楽しく聞いてます。」

――ありがとうございます。

「今日は大切な人の誕生日なんです。その人が大好きなこの曲をリクエストさせて下さい。
『いつも、ありがとう…。大好きだよ。』とのメッセージも頂いてます。」

――懐かしい曲です。今から17年前のヒット曲ですね。 ジュリア・ハ−ティリ−『アイズ・オン・ミ−』




 >> 音楽がかかるが直ぐに切れる



――番組の途中ですが、ニュース速報をお伝え致します。

“ガルバディア軍がドール撤退を発表致しました……。”



少女、すぐに立ち上がり、網棚にある鞄をとる。
そして、中からノートパソコンを引っ張り出し立ち上げる。
何処かに通信を始める。



 >> 画面映る――Baram Gardenのサイト



 >> 列車はそのまま海辺を走り続ける、その先に見えるのは街、バラム

 >> 列車、ホームに入る。ホーム内、人々の足々。

 >> 視点は足下のまま、駅の改札をくぐり、バラム市街へ
 >> 青い空が映る
 >> と、同時にゼルの叫び声が響く。



バラム市街

ゼル:

だーーーーーっ、ムカつくーーーーっっ!!!
絶対、俺落ちたよ。
ちくしょーーーっ、サイファーのばかやろ〜〜〜〜〜!!!

セルフィ:

ゼル、仕方ないよう。命令違反しちゃったんだからさ。
いいじゃん、また受け直せば。これっきりって訳じゃないんだしさ。

ゼル:

またあの筆記試験受けろってか?
んなの、もう全部忘れたさ。
今回受かったのも奇跡かと思ってるんだぜ。
なのになのに……

セルフィ:

もー、スコールも何とか言ってあげてよ。

スコール:

……(無言でその場を立ち去ろうとする)

セルフィ:

逃げる気〜〜〜〜!!(ひしと服のすそを掴む)

スコール:

ゼル、試験結果よりも今回の違反の罰のことでも考えろよ。

ゼル:

……ぅげ

セルフィ:

(きっつ〜〜〜…)
(思わず手を放す。その隙にスコールは歩き出す。)

 >> スコールと一人の少女がすれ違う。
 >> 肩にリュックと紙袋。
 >> 傍らの靴屋に入っていく。


 >> 靴屋の扉が閉まると同時に

ゼル:

ちくしょ〜〜!!!
サイファーのばっかやっろ〜〜〜〜!!!

 >> どこまでも続く青い空
 >> そして、いつしか一番星が光る夕暮れの空へと変わる。






back next

きみのことすきなんだ 石鹸工場